筆者はこういうルールが良いと考えます。
①シンプルで覚えやすい
②理屈が通っていて納得(説明)できる
③不備(想定外)がなくトラブルが起きない
リーチ後の暗カンで考えてみる
リーチ後の暗カンについての全国段位審査会のルールを見てみましょう。
第二条リーチ(立直)の第三項にこうあります。
三 立直のあと暗槓はできるが、自摸(編注:ツモ)牌が暗刻の牌と同一牌であり、聴牌(編注:テンパイ)の形が変わらない時に限る。
(執筆時:2022年11月25日現在)
ではこのルールの場合、リーチ後にツモってきたは暗カンできるでしょうか?
正解:できない
理由:ペン待ちがなくなってしまうので「聴牌の形が変わらない時に限る」の条項に抵触するから
ただし、同じ待ちであるのに、なぜペン待ちを消してはいけないかという理屈は聞いたことがありません。
では、次の手牌の場合リーチ後にツモってきたは暗カンできるでしょうか?
正解:できる
ただし、できないルールの方が多い。その理由ですが、リーチにはそもそも「もう手牌を変えない」という前提があります。(筆者はカンツができるので手牌を変えているではないかという主張)
上記の手牌はピンフ・イーペーコー・純チャン含み(高め、安めがある場合の表現)です。で出アガった場合はリーチ・ピンフ・イーペーコー・純チャンのハネ満。
で出アガった場合は、リーチ・三暗刻の6400点(子)になるのです。
※高い方を取ることを「高点法」と呼び、競技における「高点法」は必ず高い方に取らなければならないことを意味します。
ですので、の暗カンは手牌の構成を変える(順子の構成をなくし、結果として高いアガリの可能性も消している)カンとなり、できないとされるルールがスタンダードになるのです。
※順子:シュンツ
ちなみに、全段審が主管団体の一つを務めるねんりんピック(全国健康福祉祭)のルールでは、
14 リーチ後の暗カンについて
リーチ後のツモ牌に限り、カンしても良い。ただし、手牌の順子の構成が変化する場合や、九蓮宝燈のアガリ役が無くなる場合はカンができない。できないカンをした場合、終局時にチョンボ扱いとなる。
と定められています。
繰り返しになりますが、筆者はリーチ後の暗カン廃止論者です。
その上で聞きたいのですが、なぜ手牌の順子の構成を変えてはいけないのでしょうか? 大きなお世話ではないですか?
誰か説明して下さい。(つづく)