競技一筋45年 第9回 成績評価への提言

土田浩翔の「競技一筋45年」

 競技における成績評価について今回は考えていきたいと思います。 

 まず、各プロ団体と主たるタイトル戦の成績評価をピックアップしてみます。

 

 <日本プロ麻雀連盟>

 30000点持ち 30000点返し

 順位点は、3万点以上キープしていればプラスの順位点、3万点未満で終わるとマイナスの順位点が加算されます。

 その順位点は以下になっています。

         トップ  2 位  3 位  ラ ス

(1人プラス) +12000 △1000 △3000 △ 8000

(2人プラス) + 8000 +4000 △4000 △ 8000

(3人プラス) + 8000 +3000 +1000 △12000

 

 尚、同点の場合は、当該の2つの順位点を合算し2等分します。

 3人が並んだ場合はプラス12000点と残り3人がマイナス4000点ずつに分けるか、マイナス12000点と残り3人がプラス4000点ずつ分けることになります。

 

 <最高位戦プロ麻雀協会>

 30000点持ち 30000点返し

 順位点は、順位に対し付与されます。

 トップ  2 位   3 位  ラ ス

+30000 +10000 △10000 △30000

 尚、同点の場合は、当該の2つの順位点を合算し2等分します。

 3人並んだ場合は、プラス30000点と残り3人がマイナス10000点ずつに分けるか、マイナス30000点と残り3人がプラス10000点ずつ分けることになります。

 

 <日本プロ麻雀協会>

 30000点持ち 30000点返し

 順位点は、順位に対し付与されます。

 トップ  2 位   3 位  ラ ス

+50000 +10000 △10000 △30000

 尚、同点の場合は、当該の2つの順位点を合算し2等分します。

 3人並んだ場合は、プラス50000点と残り3人がマイナス10000点ずつに分けるか、マイナス30000点と残り3人がプラス50000点を等分に分けることになります。

(注)プラス16600点と3分の2という表記になります。

 

 <麻将連合>

 30000点持ち 30000点返し

 順位点は、順位に対し付与されます。

 トップ  2 位   3 位  ラ ス

+12000 +4000 △4000 △12000

 尚、同点の場合は、当該の2つの順位点を合算し2等分します。

 3人並んだ場合は、プラス12000点と残り3人がマイナス4000点ずつに分けるか、マイナス12000点と残り3人がプラス4000点ずつ分けることになります。

 

 <RMU>

 30000点持ち 30000点返し

 順位点は、順位に対し付与されます。

 トップ  2 位   3 位  ラ ス

+15000 +5000 △5000 △15000

 尚、同点の場合は、当該の2つの順位点を合算し2等分します。

 3人並んだ場合は、プラス15000点と残り3人がマイナス5000点ずつに分けるか、マイナス15000点と残り3人がプラス5000点ずつ分けることになります。

 

 <Mリーグ>

 持ち点と順位点は<日本プロ麻雀協会>に準じています。

  百花繚乱の順位点を見て、新提言

 面白いですよね。

 主要プロ5団体すべてが異なる順位点で競技を行っている現実があります。

 更に、この順位点に素点が加算されて成績評価されるわけですから、プロたちはまさに二刀流で戦っている現状です。

 私の考えは少し違っていて、二刀流をこなせるということ自体、プロとしての評価が高まるので悪くない話なのですが、競技ということを真正面から見たとき、果たして順位点と素点が合算される成績評価法でいいのか? という疑念が湧いてきてしまうのです。

 純粋に順位を競うという競技があっていいし、純粋に素点を競う競技があっていいと考えていますので、明確に2つに分けたほうがいいのではないでしょうか。

 

 提案1 順位だけを競う競技

トップ  2 位  3 位  ラ ス

+3   +2    +1   0

 この順位点だけで競技をしていけば、目標が明確になりますし、長期に渡るリーグ戦にも適しているかと思います。

 提案2 順位だけを競う競技

トップ  2 位  3 位  ラ ス

+4   +2    +1   0

 トップの価値をプラス1アップさせていますが、この順位点で中国との交流戦などを経験している身としては、たった1日で成績評価する競技においてさえ、提案1よりも競技性は高まると感じています。

 日本では<101競技連盟>が設立当初より純粋に順位だけを競う競技を推進されていますが、確固たる理念ありきの世界は、やはり麻雀競技の原点と言えるのではないでしょうか。

 提案3 素点だけを競う競技

 順位点の無い素点競技です。

 決められたゲーム数の中で、どれくらい素点を叩きだせるのか? という競技なので、プロ・アマ問わず、出てきた成績に納得がいくように思えるのは私だけでしょうか。

 もっと言えば、順位争いなどの要素が卓上から消えるので、まったく言いわけのできない競技となっていくのではないでしょうか。

 順位点と素点が合算される現行の競技はひと粒で2度美味しい内容となっていますが、果たしてその評価法が打ち手の実力を正しく反映できるものなのか? 疑問が残ります。

 二刀流がもてはやされる時代に逆行するようですが、麻雀競技においては、順位点方式と素点方式に分けたほうがいいという提案をしておきます。

 成績評価から曖昧さを消す、この1点で今回の提案をさせていただきました。

 育まれてきた歴史はなかなか動かせないことは承知していますが、長年競技に携わってきた身として、今こそ改革の狼煙を上げるべきなのではないかなと思っています。