園田賢の第3回ツインカップレポートの巻

今回は4年ぶりに当編集部に復帰した園田賢(そのだけん、最高位戦)のご挨拶をかねたレポートをお送りする。

筆者も8月9日の予選に出場したが、若手プロばかりの会場の雰囲気にあまりの場違いさを感じて緊張してしまい、下から2番目という大惨敗を喫してしまった。

————————————–ここから園田————————————–

大学⇒雀荘メンバ⇒サラリーマン⇒やっぱり麻雀業界に戻ってまいりました。最高位戦日本プロ麻雀協会に所属しています。

びしばし更新していきますのでこれからもMahjongWalkerともどもよろしくお願いします。

さて、表題のTwinCupとは?

最高位戦日本プロ麻雀協会(以後最高位戦)・日本プロ麻雀協会(以後協会)の若手が中心となって企画されたプチタイトル戦。今年で3期目を迎え、毎年たくさんの若手プロが参加している。

ピリピリムードもまた楽しい

発足当時、僕は「その研(園田研究会)」という勉強会を月一で開催していたのだが、その勉強会の幹事をやってくれていた坂本大志(さかもとまさし、最高位戦)が大会をやろうと言い出したのが最初のきっかけだ。

大会のコンセプトは「団体を超えて仲良く!」
若手プロの他団体との交流の場になればとの思いが坂本にはあった(はず)。

当時女流最好位と呼ばれていた坂本にとって、「協会の女流プロとお近づきになりたい!」との思いがあったかどうかは定かではない…

と、とにかく、坂本を運営責任者として、大会は発足した。

坂本(別名おにぎり)あってのTwinCup

都合のいいことに麻雀界には全く同じ顔で違う団体に所属する双子がいた。
竹中誠(たけなかまこと、最高位戦)と竹中慎(たけなかすすむ、協会)である。

双子なのに…
同じ顔なのに…

何故か違う団体に所属していた彼らは、この大会にとって、絶好のシンボルになりえた。という訳で、TwinCupのTwinってのは「双子」であったり「最高位戦と協会」であったりする。(もちろん、最高位戦と協会が中心だが、他団体のプロも大勢参加している。)

さて、今年の大会は3日に分かれて行われた。

8月9日(日) 1次予選 2次予選
8月14日(金) 1次予選 2次予選
8月16日(日) 本戦・決勝

TwinCupは坂本以外の運営も選手として参加する。
僕は9日の1次予選に参加した。
36人参加で3半荘打ち、1位は本戦に飛び級、2位~17位が2次予選に勝ち上がりとなる。

とにかくツイてて、何の苦労もせず2連勝。85P持って現状首位である。
後1半荘。こうなると目指すは飛び級のみ。

ふむふむ、2位は大浜岳(おおはまたけし、協会)か。その下は遠い。
「まあ、トップ取れば大体大丈夫だよね」と思って最終戦に臨む。

まず、頭に入れておいてほしいのだが、リーグ戦やタイトル戦の最終戦では発声は同卓者に聞こえる範囲でなるべく小さく言うものだ。

他の卓の人とその卓の人とで争っていることもあるわけで、他の卓の状況がわかることで誰かに不利になったり得になったりしてはいけない。

で…。

3回戦開始直後、静かに闘牌が始まったと思いきや隣の卓から会場全体に響き渡る声で「ロン!12000!!」と大浜の声。

大浜は根っからのお笑い芸人だ。確かに、ここで12000が入って大声で言うのは「おいしい」。
普通のタイトル戦じゃできないし、お祭り大会だからこそ許される。

失笑・苦笑の中満足そうな大浜。

だが、僕にとっては笑いごとではない。
大浜をまくって飛び級するにはトップがほぼ必要なことがわかったのだ。

それまで、おとなしく打ってた僕もそれからは勝負の鬼。
1着以外意味がないなら押すしかない。
不利な勝負も押して押して押して。
ツキました…終わってみれば7万点弱のトップ。

横で6万点弱のトップを取った大浜が茫然としていた。
僕「いやー。あの12000が聞こえなけりゃ、しょぼいトップだったよ!」
本当に大浜がお笑い系でよかったと思った。

ちなみに大浜は2次予選に進み、また会場に響き渡る声で
「ツモ!16000オール!!!」
とか言ってたけど敗退してました…

そんなこんなで、本戦に残るが見せ場はここまで。
3回戦で足切り…
「運営でも頑張りますか。」

猛者たちを押しのけて、決勝に進出したのは以下の4人。
ちなみに決勝までポイントは持ち越しで行う。

1 山本 篤史 149.4
2 竹中 誠 127.0
3 田中 巌 110.4
4 佐藤 崇 81.9

ここでこの4人をちょっと紹介しておこう。

山本篤史(やまもとあつし、棋士会)
日本プロ麻雀棋士会のエースで会長
ここまで終始安定した麻雀を見せてきた。
いつのまにかJAJA雀勤務に!?

竹中誠(たけなかまこと、最高位戦)
ご存じTwinCupの主役。
双子といっても麻雀の手つきまで一緒じゃなくてもいいと思うのだが…
麻雀は弟より少し強いらしい。
「空気を読まず主催者が優勝します!」

田中巌(たなかいわお、最高位戦)
…今にも子供が生まれそうな立派な腹をしている。
お腹を叩くとすぐにシャツをめくってくれるので機会があればどうぞ。
麻雀は若手には珍しいヤミテン中心の奥ゆかし派。
マーチャオ勤務

佐藤崇(さとうたかし、最高位戦)
今、最も旬の麻雀プロといっても過言でない。
その読みとバランスには定評がある。
勤務先のジパングでも勝ちまくってるらしいから同卓は拒否した方が無難であろう。
TwinCupも3年連続決勝進出中。

決勝が始まって、東場は田中台風が吹き荒れる。
親で何本も積み、東場終了時は以下

佐藤14800(56.7)
田中63600(174.0)
竹中11200(78.2)
山本29400(158.8)
()内はトータル

東場ですでに田中対山本の一騎討ちの様相を呈してきた。

南1局佐藤の親は
山本の1300-2600で流される。
ここで佐藤の目はほぼなくなった。

南2の田中の親は流れて

南3局3本場供託3000
東・竹中10800(97.8)
南・山本34900(164.3)
西・佐藤7100(29.0)
北・田中64200(174.6)

この3000点供託の局をを山本が取るか田中が取るかで勝負の行方は、大きく違ってくる。
田中もぎりぎりまで粘るが、山本渾身の500-1000は800-1300

大接戦!

オーラスを迎えて

東・山本41800(171.2)
南・佐藤5300(27.2)
西・田中63400(173.8)
北・竹中9500(96.5)

山本と田中の差はわずか2600点
山本は親だが、もちろん和了り止めなどないので、そこそこ点数を叩きたい。
ちなみに、佐藤・竹中はすでに和了りでの優勝条件が無くなっている。

山本も田中も中々手が進まない中、終盤、山本が辺張を喰い、チーテンを入れる。
ここまで、手が進まなかった田中、山本が鳴いた瞬間、リャンメン、カンチャンと引き入れ、山本がツモ切った4枚目の二筒で御用。

田中巌 (29才 メタボ) 初タイトルおめでとう!

勝利の瞬間!!
双子に挟まれて嬉しそう!?