ルールについて考えるとき、「それは昔からの決め事だから」とか「ここの決まりだから」という話で落着していることも多くて困ることがあります。
とりわけ<競技>を推進している集まりにおいて、慣習に従ってルールの見直しを図らないことには、<競技>そのものの進化を止めることになりかねません。
当たり前のように受け入れてきたルールを年に1度でも討議する場が(各競技組織が一同に会す)あればいいのになと思っています。
得点計算への疑義
ルールの見直しは「得点計算」も視野に入れるべきではないかと思い、今回のコラムで触れてみます。
なぜ?今までどの競技組織も疑念を抱かなかったのか不思議でなりませんが・・・
30符4ハンを7700にするのか、切り上げマンガン(8000)にするのかという議論もあるようですが、それは符計算の問題として他の機会に提言することにします。
問題は、5ハン・7ハン・9ハン・10ハンの「得点計算」についてです。
現行のルール下では、4ハン(ピンフ・ツモの手牌は除く)と5ハンはマンガン。6ハンと7ハンはハネマン。8ハンと9ハンと10ハンは倍満。11ハン以上は3倍満。という決め事になっています。
アガったハン数が違うのに同じ得点しか貰えない<競技>に皆さんは違和感を覚えないのでしょうか。
<競技>と呼ぶからには、そのルールも曖昧なものにしてはいけません。
マンガン・ハネマン・倍満・3倍満というくくりについても、4・5~6・7ハンまでは2ハンくくりなのに、倍満が8・9・10と3ハンくくりとなり、3倍満に至っては、11ハン以上という大雑把なくくり。
これって<競技>と呼ぶに相応しい「得点計算」なのでしょうか。
せめて、2ハンずつアップさせようとするならば、以下のように規定すべきだと私は思っています。
ハン数 |
親 |
子 |
4・5 |
12000 |
8000 |
6・7 |
18000 |
12000 |
8・9 |
24000 |
16000 |
10・11 |
30000 |
20000 |
12・13 |
36000 |
24000 |
14・15 |
42000 |
28000 |
16・17 |
48000 |
32000 |
|
・・・ |
・・・ |
18ハン以上の手はなかなか成就できないと思いますが、「得点計算」としてはきっちり明示しておくべきで、親・子とも役満の得点が16・17ハンに該当しますので妥当な「得点計算」になっているように思えます。
ただし、こう規定されたとしても<競技>としては不備が残ります。
賢明な読者の中にはお気づきになった方もいらっしゃると思われますが、どうして「得点計算」が2ハン毎なのか?という至極真っ当な疑問です。
約30年前から提唱してきた得点システム
では以下の「得点計算」はいかがでしょう
ハン数 |
親 |
子 |
4 |
12000 |
8000 |
5 |
15000 |
10000 |
6 |
18000 |
12000 |
7 |
21000 |
14000 |
8 |
24000 |
16000 |
9 |
27000 |
18000 |
10 |
30000 |
20000 |
11 |
33000 |
22000 |
12 |
36000 |
24000 |
|
・・・ |
・・・ |
お分かりいただけるように、親は1ハン増す毎に3000点アップ、子は2000点アップという「得点計算」です。
もし符計算が「得点計算」と矛盾するという考え方があるのであれば、シンプルに
ハン数 |
親 |
子 |
1 |
3000 |
2000 |
2 |
6000 |
4000 |
3 |
9000 |
6000 |
こう規定しても問題はないのかなとも思えてきます。
麻雀を知りたい人たちのハードルを下げるという目的においても、符計算するというハードルを失くし、純粋に役だけ覚えれば「得点計算」できるというルールのほうが麻雀人口も増えるのかもしれませんね。
現行の<競技>には芸術点は無く、得点だけを競うものですから、「得点計算」は一目瞭然、誰にでも分かりやすい合理的なものであるべきです。
また<競技>の醍醐味も、1ハンをどう積み重ねていくのかというところに焦点が当てられるべきで、動画環境が整ってきた時代に合ったルールで行われることが<競技>の発展に寄与するものと思っています。
実際にこの「得点計算」をルール化した<競技>を30年余り前に札幌で立ち上げています。そして東京でも15年余り前に立ち上げて動画配信しています。
札幌では「北海道最強位戦」
東京では「ピンツェリーグ」
と命名した<競技会>です。
現在は休止中ですが、この<競技会>に参加した方たちは、プロアマ問わず概ね「得点計算」への賛意を示してくれました。
やはり、余りハン数の無い「得点計算」は<競技>をより白熱化させてくれるようです。